採用活動は、まずどのような人材を採用したいのか、具体的に要件を定義することから始まります。この要件定義が曖昧だと、思ったように採用が進まず、時間や金銭的なコストがかかってしまいがち。そこで本記事では、採用活動の最初のステップとなる「採用要件とは何か」を、なぜ要件を定義する必要があるのか、とあわせて紹介します。1.採用要件とは採用要件とは、求める人物像の基準を明確に示したものであり、採用活動を行う際の大きな指針です。 『人材要件』と表現されることもあります。 自社に最適な人材を採用するためには、採用要件の定義が欠かせません。 採用要件の定義では、どのような労働条件・スキル・価値観を持っているのか、といった基準を明らかにしていきます。この基準が曖昧なまま「なんとなく採用」してしまうと、企業と応募者のミスマッチが起こりやすくなり、お互いに望まない結果を招いてしまう恐れがあります。2.採用要件の必要性採用要件の必要性について、より詳しく解説していきます。採用要件の目的は、主に以下3つです。2.1 応募者を正しく評価するため 採用要件を明確に示さずに採用活動を行うと、自社の希望とマッチする人材を正しく見抜けない可能性があります。 また明確な採用要件を定め、客観的な評価ができる仕組みを整えることで、面接担当者ごとの評価のばらつきを減らし、担当者ごとによる採用基準のばらつきをなくすことが可能になります。そのため、 長期的な視点で見ても、採用要件を明確にしておけば「この基準は適切だったか」「今後の採用の方向性をどうするか」と振り返って分析し、軌道修正を行いやすくなります。誰が面接を担当するかにかかわらず、応募者を正しく評価し、最適な人材を獲得できる状態を作るためにも採用要件を定義することが重要といえるでしょう。2.2 自社と内定者のミスマッチを防ぐため 「採用のミスマッチ」は企業と応募者の双方にとって、機会の損失や不利益を被ることにもつながります。「入社してもスキルを生かせない」「社風が合わない」といった状況が続けば、社員のモチベーションやパフォーマンス維持は難しく、早期離職につながる可能性が高まります。 また、採用や入社後の教育にも人件費と時間がかかるため、ミスマッチが増えるほど不要なコストが拡大し、その分本当に欲しい人材を採用する機会を逃してしまいます。2.3 採用要件をもとに採用活動が進むため 以下の図のように、求める人材の「要件定義 (採用要件の定義)」を起点として採用活動が始まります。採用要件が決まらなければ、以降の「募集」「選考」「内定」「定着」の段階まで進めることができません。要件定義をしないまま進めてしまうと、先述のとおり希望するターゲットからの応募が来なかったり、入社者とのミスマッチが発生する可能性があります。3.採用要件を決める方法採用要件を決めるためには、募集する人材のターゲットとペルソナ設定を行うのが基本です。どのような属性の人材を集め、どのような条件に合う人を採用するのか明確化させます。ターゲットとペルソナの違いや設定方法はこちらの記事で詳しくまとめていますので、ご参照ください。【母集団形成】採用におけるターゲットとペルソナの違いは?それぞれの設定方法を紹介