「スカウトに返信はあったものの、候補者とカジュアル面談の日程調整ができない…」「カジュアル面談の日程調整はできたが、なかなか面談実施につながらない…」「カジュアル面談をするまでもなく不合格になる候補者にスカウトを送ってしまっている」このようにお悩みの採用担当者様は多いと思います。本記事では、弊社が中途採用支援をする中で経験した、カジュアル面談実施前後の候補者の辞退と不合格を防ぐための施策をまとめました。ぜひ参考にしてください。1. カジュアル面談実施前の辞退を引き起こす4つの原因と改善施策カジュアル面談実施前に候補者が辞退してしまう、よくある原因4つとそれらの対策を紹介します。カジュアル面談の日程調整スピードが遅い候補者がクライアント企業、面談担当者のことをよく理解できていない日程調整メールを送ったが、候補者が日程調整をしてくれない面談日程を調整できたが、候補者が面談に参加しない原因①:カジュアル面談の日程調整スピードが遅いカジュアル面談の日程調整のスピードが遅く、他の企業から内定をもらうなどした候補者が面談前に辞退してしまうケースがあります。この場合、以下のような対策を取りましょう。面談希望が届いたら24時間以内に対応する候補者からカジュアル面談の希望が届いたら24時間以内に対応するようにルールを決める。1日に何回か媒体にアクセスし、候補者からの連絡を確認、返信する時間を設ける。※採用管理システムをSlackやChatworkと連携させることにより、候補者から応募があったら通知が届くように設定しておくのもおすすめです。参考:Chatwork 連携ガイドブック(スライドの12枚目に採用管理システムHERPとの連携方法が記載されています)日程調整ツールを活用しやり取りの回数を減らす日程調整のやりとりを複数回発生させないために、日程調整ツール(Spir、Youcanbook、TimeRexなど)を導入し、日程調整URLを候補者に送付するようにしましょう。そうすることで、面談実施までスムーズに進めることができます。一方で面談担当者の予定に空きがないことも想定されるので「面談担当者のスケジュールに空きがあるのか?」も確認しましょう。原因②:候補者が企業、面談担当者のことをよく理解できておらず、応募意向が高くない候補者がカジュアル面談を申し込んだ企業や面接担当者のことをよく理解できないと、調査などの負担がかかってしまったり、不安感を覚えたりしがち。その結果、企業への応募意向が高まらず、カジュアル面談を辞退してしまうケースがあります。カジュアル面談の日程調整とあわせて、以下の対策も行いましょう。自社の資料を添付する面談の日程調整メールに自社のことが分かる資料(会社紹介、採用ピッチ資料、募集職種の紹介ページ、面談担当者のプロフィールなど)を添付し、候補者にかかる負担や不安を軽減させましょう。以下は資料の例です。例:メンバーズ社の会社紹介資料例:ミラティブ社の採用ピッチ資料例:ラクス社の募集職種の紹介ページ候補者の経歴に近い面接担当者をアサインする候補者と似た経歴の社員を面談担当者にアサインし、親近感を持ってもらいやすくしましょう。面談担当者のプロフィールを候補者に送付すると、事前に伝えることが可能です。原因③:日程調整メールを送ったが、候補者が日程調整をしてくれないカジュアル面談の日程調整メールを送ったものの、候補者がメールに気付いていないなどの理由で日程調整が進まず、そのまま面接自体が取り消しになってしまうことも少なくありません。この場合の対策としては、以下のものが挙げられます。日程調整ツールを使う候補者に面談希望日時を複数提示してもらうのでは、受け身の体勢となり調整が進まない可能性が高めです。日程調整ツールを利用して自社から候補日を送り、日程調整のハードルを下げましょう。電話やSMSなど気付きやすい方法で日程調整をするメールだと候補者が気付かずスルーしてしまう可能性があります。メールよりも相手が気付きやすい電話やSMSで日程調整できないか提案してみてください。参加意欲を高める文章を付け加えるただ日程調整メールを送るだけでなく、候補者のプロフィールを見て「どこを評価しているか」を伝え、自社のカジュアル面談への参加意向を高めてみましょう。それだけ高く評価されているのだと候補者が理解すれば、意欲的に日程調整を行ってくれやすくなります。可能な限り幅広い日時で対応できるようにする候補者の中には、企業から提案された候補日時に合わせることが難しく、そのまま返信しないという場合もあります。この対策として、できる限り幅広い日時でカジュアル面談に対応できるようにしましょう。面談担当者に「終業時間以降や土日祝の面談実施も可能か?」を相談し、可能な場合はその旨を日程調整メールに記載することが効果的な対策となります。原因④:面談日程を調整できたが、候補者が面談に参加しない日程調整まで終わってカジュアル面談の予定日時を迎えたものの、肝心の候補者が参加しないケースもよくあります。候補者の気持ちを完全にコントロールすることは難しいですが、可能な限り意欲的に参加してもらえるような施策を事前に行っておきましょう。あるいは単に予定日を忘れているだけの可能性もあります。このケースなら、事前に連絡を入れることで防ぐことが可能です。面談日程の「確定」連絡を送る日程調整の連絡を取っていた企業から「確定した日時」の連絡が来ないと、候補者は不安に感じるものです。その不安が面談への意欲を下げてしまう可能性もあるので、確定日時の連絡は必ず送りましょう。リマインドの連絡を入れる候補者が面接の日時を忘れないよう、リマインドの連絡を前日までに入れましょう。例えば日程調整ツールの「前日リマインドメール自動送付機能」などを利用するのがおすすめです。対応する候補者数が多い場合、候補者一人ひとりに面談前日のリマインドメールを送付するのは手間と時間がかかるので、日程調整ツールを選ぶ際はリマインドの自動送付機能がついているツールを選びましょう。2. カジュアル面談実施前の不合格を引き起こす3つの原因と改善施策カジュアル面談実施前に面談担当者が「この候補者は不合格」「採用要件を満たしていないので、面談をする必要がありますか?」と判断してしまうことを引き起こす原因3つとそれらの対策をまとめました。スカウト送信要件を満たしていない候補者にスカウトを送信している面談担当者が候補者の人物面以外の側面で不合格だと判断してしまう候補者と面談担当者のカジュアル面談実施の趣旨や意図に認識のズレがある原因①:スカウト送信要件を満たしていない候補者にスカウトを送信しているスカウト送信要件を満たしていない候補者にスカウトを送ってしまうと、面談担当者の認識と齟齬が生まれてしまい、面談前に不合格と判断してしまう原因になりがちです。次のような対策を取りましょう。面談担当者とスカウト送信要件のすり合わせを行うスカウトを送信する前に、面談担当者と要件のすり合わせを行っておきましょう。具体例を挙げると、年齢:◯◯歳 〜 ◯◯歳まで 経験:◯◯の経験◯年以上 経験社数:◯社未満 離職期間:◯ヶ月以内 マネジメント経験の有無 マネジメント対象人数:◯人以上など。スカウト送信OKな要件だけではなく「スカウト送信NGな要件」もすり合わせておきましょう。原因②:面談担当者が候補者の人物面以外の部分で不合格だと判断してしまう実際に面談を行う前に、面談担当者が候補者の人物面以外の部分だけを見て不合格と判断してしまうケースもあります。例えば、「求人媒体に登録しているプロフィール情報が少ないから不合格と判断してしまう」など。このようなケースを防ぐためには、以下のような対策を取りましょう。面談担当者に人物面を見て評価することを伝える面談担当者に「面談ではあくまでも候補者の人物面を見てもらう」よう事前に伝え、面談実施のスタンスを変更してもらいましょう。面談実施前に判断してしまうことのデメリットを伝えることも効果的です。具体的には、求人媒体に登録しているプロフィール情報が少ないからこそ面談を実施すべき。面談の中で新しい発見があるかもしれない事前情報だけで人柄を判断することは難しく、実際に話してみたら自社の雰囲気や考え方に合う人かもしれないなど。原因③:候補者と面談担当者のカジュアル面談実施の趣旨や意図に認識のズレがある面談担当者がカジュアル面談の趣旨や意図を誤って認識しており、カジュアル面談のために候補者が送ってきた情報だけを見て不合格と判断してしまうことも考えられます。カジュアル面談実施前に候補者と面談担当者の双方にカジュアル面談実施の趣旨や意図を伝えるもし面談担当者が「カジュアル面談 = 面接」と捉えている場合は「カジュアル面談は面接とは異なり、合否判定の要素を含んでいない」と伝え、カジュアル面談の位置づけを正しく理解してもらうことが大切です。カジュアル面談実施前に候補者と面談担当者の双方にカジュアル面談実施の趣旨や意図を伝え、認識のズレを生じさせないようにしましょう。3. カジュアル面談実施後の辞退を引き起こす5つの原因と改善施策カジュアル面談実施後に候補者が選考を辞退をしてしまうケースもあります。このような事態を引き起こす原因5つとそれらの対策をまとめます。面談担当者がカジュアル面談ではなく、面接を行っている面談担当者が自社のことばかり話し、候補者の話を聞かない候補者がこちらの話をよく理解できていない面談担当者の反応が薄い、良くないと感じる候補者と音信不通になる(候補者が選考希望の意向を示さない)原因①:面談担当者がカジュアル面談ではなく、面接を行っている候補者はカジュアル面談のつもりで来たのに、面接担当者がカジュアル面談ではなく面接を行ってしまうと、認識のズレから選考辞退につながる可能性があります。面接の用意はしていないまま採用・不採用の評価をされるのは、候補者側も不本意でしょう。以下のような対策を行ってください。面談担当者にカジュアル面談と面接の違いを伝える先述のとおり、面談担当者に面接とカジュアル面談の違いを伝え、「カジュアル面談で合否の判定は行わない」と理解してもらってください。【カジュアル面談と面接の違い】カジュアル面談:企業と候補者がお互いをより理解するために、リラックスした雰囲気で行う面談のこと。合否判定をしない。面接:企業が候補者を採用要件に照らし合わせて合否判定をする。「カジュアル面談と聞いていたのに、実際に参加したら面接だった」「カジュアル面談に参加しただけで不合格と言われた」と候補者からクレームが発生することもあるので注意しましょう。面談担当者から候補者に面談ではない旨を伝えてもらうカジュアル面談の冒頭で面談担当者から候補者に「本日は面接ではないので、合否判定はしません」と伝えてもらうのも対策の1つですこれにより候補者はカジュアル面談で合否が決まらないことを理解でき、認識の食い違いがなくなります。またお互いにリラックスした雰囲気で臨めるようになるでしょう。原因②:面談担当者が自社のことばかり話し、候補者の話を聞かないカジュアル面談は合否判定は行わないリラックスな面談といえど、面談担当者が一方的に自社の話ばかりをして候補者の話を聞かないまま終わってしまうと、候補者からの印象が下がってしまう可能性があります。「この企業は自分のことに興味がない」「自慢話だけでお互いの理解を深めることができなかった」などと候補者が感じれば、選考を辞退してしまう可能性が高いでしょう。そうならないためにも、以下のような対策を実施してください。面談担当者の育成トレーニングを実施する面談担当者が自社のことばかり話してしまう原因は、カジュアル面談に慣れていないからかもしれません。あらかじめカジュアル面談に向けたトレーニングを行い、面談担当者自身を育成する取り組みをしましょう。例えばカジュアル面談に臨む心構えなどをまとめたマニュアルを作成したり、社内で講習を行ったり、模擬的なカジュアル面談を社内で行うことなどが挙げられます。カジュアル面談の流れ、質問テンプレートを用意する基本的にカジュアル面談はリラックスして行うものであり、決まった流れなどがあるわけではありません。しかし、決まりがないからこそ面談担当者は進め方に困ってしまうこともあるでしょう。その対策として、カジュアル面談の大まかな流れをまとめた資料を作成したり、候補者に最低限質問しておくべきテンプレートなどを用意しておくのが効果的です。【カジュアル面談の流れの例】カジュアル面談の目的を明らかにする候補者の面談参加目的を聞き、目的を解消するための情報提供をする面談の進め方を伝え、候補者と合意形成をする会社やポジションの紹介し、職務内容と候補者の経歴やスキルがどの程度マッチしそうかヒアリングするマッチしそうだと思った点や評価点をフィードバックする候補者が聞きたいと思っていた話は聞けたか、聞き足りないことはないかを確認するネクストアクション(応募書類の提出など)と期日を伝えて終了カジュアル面談の冒頭に候補者が何を知りたいかヒアリングするよう徹底する先述の「カジュアル面談の流れ」に近いですが、面談の冒頭で「候補者がカジュアル面談で知りたいことは何か」をヒアリングし、それに関連する情報を提供したり、抱えている疑問を解消したりよう面談担当者に徹底させることも重要です。面談が候補者主体になり、担当者が自社のことを一方的に話して終わりという内容になりにくいでしょう。原因③:候補者がこちらの話をよく理解できていないカジュアル面談を行ったものの、面談担当者が話した内容を候補者がよく理解できず、意欲が下がり選考を辞退してしまうケースもあります。口頭で伝えるだけでは理解しにくいこともあるでしょう。そのようなケースを考慮し、より具体的に伝える方法を用意しておくべきです。資料などを用意する話の内容の理解を促すための資料を用意し、オンラインで画面を共有したり、その資料を渡したりして候補者の反応を見ながら説明するのが効果的です。資料として例えば、会社紹介採用ピッチ募集職種特有のもの資料などが挙げられます。原因④:面談担当者の反応が薄い、良くないと感じる候補者の自社に対する理解を深め、良い印象を持ってもらうためのカジュアル面談が逆効果になってしまう可能性もゼロではありません。例えば、面談担当者の反応が薄かったり、態度が悪かったりすると、候補者はマイナスの印象を抱いてしまうでしょう。そうならないために、以下のような対策を行うべきです。候補者の悩みや不安にクリティカルに応えるよう徹底する候補者の現職での悩みや不安、不満を聞いて「なぜ自社の該当ポジションなら、その悩みや不安、不満を解消できるか」を実例をもとに具体的に話すよう、面談担当者に伝えましょう。また候補者のやりたいことを聞き出したり、転職理由と自社のどこがマッチしているかを伝えることも有効です。悩みや不安が晴れるだけでも、候補者は「有意義なカジュアル面談だった」と感じてくれやすくなります。面談担当者の振る舞いを見直すカジュアル面談の担当者の印象がそのまま自社の印象になると言っても過言ではありません。面談担当者には振る舞いを見直し、意識するよう伝えましょう。具体的には、常に口角を上げて笑顔で候補者とコミュニケーションをとることで、いい印象を与えることができます。また候補者の発言に共感や承認を示すことも、候補者に「いい雰囲気で面談ができている」と感じてもらえる秘訣です。原因⑤:候補者と音信不通になる(候補者が選考希望の意向を示さない)直接的な原因が不明な状態で、候補者と音信不通になったり、候補者が選考希望の意向を示さないというケースも考えられます。カジュアル面談実施後は、フォローアップもしっかり行い、候補者が選考へスムーズに進めるよう対策をしましょう。フォローアップメールを送るカジュアル面談を実施した日にフォローアップメールを候補者に送りましょう。「カジュアル面談参加への御礼、話してみて候補者のどこがいいと思ったか」「選考を希望される場合はいつまでに履歴書、職務経歴書を送付すればいいのか」などを記載してください。カジュアル面談実施後にも候補者にいい意味を与えることが重要なため、メールの送信は翌日以降にせず、カジュアル面談を実施した日に行いましょう。メールを作成する手間を省くために、カジュアル面談後の御礼連絡のテンプレートを作成することをおすすめします。もし候補者から返信があり、選考に進むかどうかを悩んでいるようなら、悩んでいる点や疑問点などをヒアリングし、それらを解消できそうな他の面談担当者をアサインして再度面談を実施するという流れになる可能性もあります。4. カジュアル面談の体制をしっかり整備しようカジュアル面談により自社と候補者が相互に理解・情報共有することは採用の成功につながる重要なポイントです。しかしカジュアル面談の運用体制がしっかりできていないと、時に候補者の辞退や不合格で終わり、選考を実施できないこともあります。本記事でさまざまな原因と対策を紹介してきましたが、どのシチュエーションにおいても共通して大切なことは、「候補者とのコミュニケーションを重視し、透明性とフィードバックの提供を徹底すること」です。カジュアル面談の改善に取り組みながら、候補者と良好な関係を築くことで、採用成功の可能性を高めることができます。